(2020年1月31日発行)
先日、ファイナンシャル・プランナーの深田晶恵先生の「40代からはじめる老後資金作り~老後不安解消術」講座を受講してきました。内容を簡単にご紹介します。
◆老後資金はいくら必要か?
昨年「老後資金2000万円問題」が勃発しました。年金生活にはいった夫婦2人のモデルケースで計算すると、年金収入と年間支出の差額(▲65万円の赤字)×30年(65歳~95歳まで)=▲1,950万円、つまり老後30年で約2000万円お金が必要だよね、というものです。
では、具体的に「わが家の老後資金」を考える時にはどうすればいいでしょうか。「年金生活に入った時の毎年の予想赤字額(年金収入―生活費)」×老後の年数(25年~30年)+「特別支出(住宅の修繕費や病気の費用、車の買替など)500万円~1000万円」…これが老後資金の準備額の目安。頑張って積み立てていく必要があります。
◆今の40~50代は昔ほど貯められない?!
老後資金として必要な金額の目安は立ったけれど…と気が遠くなった方もいらっしゃるでしょう。深田先生によると、実際に今の40~50代は、親世代に比べて貯蓄しにくくなっているとのこと。理由は色々ありますが、一番大きいのは手取り収入が毎年目減りしていることです。例えば給与収入700万円の方の手取り金額は、2002年~2017年の15年間で実に50万円も減っているそうです。
◆それでも老後貧乏を避けるためには40~50代を取り巻く環境は優しくないですが、深田先生は老後不安を解消する方法として、①これからの人生で起こるお金の面での変化を知る、②「貯める力」をつける、③必要なお金の情報を身につけ、実践していく・・・ことを提唱されました。
特に「これから起こるお金の変化」とは、60歳以降に「収入ダウンの崖」が複数回あるということです。60歳の定年時、65歳の年金生活スタート、そして配偶者(特に家計を支えている人)が亡くなり「一人分の年金生活」が始まるタイミングで、収入は崖を転落するかのように大きくダウンします。この「崖」があることを知り、収入が下がったら生活費も合わせて減らしていく努力をすることが、老後貧乏を避けるためのコツです。
紙幅の関係でご紹介しきれませんが、興味のある方は検索してみると新聞の特集記事などもあります。参考にしてみてください。私たちFPの会でも、「40代から考えるセカンドライフ」や「プラチナ世代のライフプラン」等、ヒントを得られる講座を用意しています。(青山)