(2020年8月15日発行)

近所のスーパーに買い出しに行ったところ、例年この時期空いているお店が、いつになく混雑していました。今年はステイホームのご家庭が多いのだと実感しました。

さて、昨日は俳優の渡哲也さんの訃報が入り、寂しい気持ちになりました。葬儀は故人のご意向で「家族葬」だったとのことです。家族葬は近年増加傾向にありますが、コロナ禍でさらに増えているとのこと。一方で、家族葬という言葉は聞くものの、実のところどんな葬儀か良くわからない方も多いのではないでしょうか。今日は「家族葬」と最近の葬儀事情について確認します。

◆家族葬とは?

「家族葬」には、実は明確な定義はないようです。インターネットで検索すると色々出てきますが、共通するのは「家族を中心とするごく一部の人に参列者を限定した小規模な葬儀」(家族のみが参列できる葬儀というわけではない)ということです。「呼ぶ人を限定できる」一方、呼ぶ人数にルールはありません。参列者が10名未満のものから30名を越えるものまで様々です。

家族葬とよく似たイメージをもたれるものに「密葬」があります。こちらは、日を改めて本葬やお別れの会を開くことを前提として、家族など内々で営む葬儀を言います。

◆家族葬の費用は?

家族葬は、参列者の規模により費用も様々です。ある葬儀社のケースを見ると、30万円程度から100万円を超えるものまでありました。通常の葬儀に係る費用の平均額が首都圏で119万円(鎌倉新書調べ)と言いますから、費用が安く済むとも言えなさそうです。

◆コロナで変化する葬儀

新型コロナ感染症の拡大は、お葬式も大きく変えつつあります。感染拡大を避けるため、一般葬から家族葬へ、家族葬からより参列者の負担が軽い一日葬、直葬(火葬式)へのシフトが進んでいます。また先に火葬式を行い、後日お別れの会やしのぶ会を開催する「後日葬」「密葬」も増えています。

葬儀の小規模化に加え、ウィズコロナに対応した「リモート参列」や「ドライブスルー焼香」など、葬儀社の工夫も多様化しています。

お葬式は、故人との別れの場という社会的な役割、ご遺体の処理という物理的役割、文化・宗教的な役割、死を受け入れ悲しみに対処する心理的役割等、様々な役割があります。故人のご遺族や近しい方々により一層寄り添えるように葬儀の多様化が進み、グリーフケアの一助となることを願います。

当会のライフプラン講座には、最新の葬儀事情やお墓について学べる「元気な時に考えておきたいお葬式」講座があります。元気な時に、笑って聞いておくのがポイントですよ。            (青山)