(2021年1月15日発行)

年が明けて、国税庁サイトに「確定申告特集」コーナーが設置されました。今年は新型コロナウイルス感染症関連の情報が気になりますが、今回は皆さんにとっても身近な医療費控除に関わるものについて確認しましょう。

◆医療費控除とは?◆

まず医療費控除についておさらいしましょう。医療費控除は、1月1日から12月31日までの間に、自分または自分と生計を一にする配偶者やその他の親族のために支払った医療費が一定額を超えた場合に所得金額から差し引くことのできる所得控除です。

「その年中に支払った医療費」―「保険金などで補てんされる金額」―「10万円または所得金額×5%(どちらか少ない額)」

で計算されます(最高200万円)。医療費控除の対象となる医療費は、①医師などによる診療や治療のために支払った費用、②治療や療養に必要な医薬品の購入費用…等があります。

◆PCR検査費用は医療費控除できる?◆

さて、皆さんの身近に新型コロナ感染症のPCR検査を受けた方がいらっしゃるかもしれません。この検査費用は医療費控除できるのでしょうか?

結論から言うと、医療費控除の対象になる場合とならない場合、両方のケースがあります。

医療費控除の対象になるのは、「医師等の判断によりPCR検査を受けた場合」です。これは上記①に該当します。ただし、公費負担された部分(自分で支払っていない部分)の金額については医療費控除の対象になりません。

一方、「自己の判断によりPCR検査を受けた」場合の検査費用は対象となりません。上記①に当てはまらないからです。しかしPCR検査の結果「陽性」と判明し引き続き治療を行った場合は、そのPCR検査は治療に先立って行われる診察と同様に考えることができるので、医療費控除の対象となります。

◆マスクは医療費控除の対象外◆

ちなみにマスクは医療費控除の対象となりません。マスクは病気の感染予防を目的として着用するもので、セルフメディケーション税制(特定の医薬品などをドラッグストアなどで購入した場合に医療費控除できる制度)の対象外になっています。

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