(2021年10月1日発行)

全国で発出されていた緊急事態宣言とまん延防止等重点措置が解除されました。この数ヶ月「休業します」の張り紙がされていた近所の飲食店にも今日から明かりが灯りました。感染対策には手を抜かず、外で食事を囲む楽しみを取り戻していきたいものです。
今日は台風16号が関東沖を進み、天気が大荒れですね。どうぞお気をつけください。

◆どれを選ぶ?証券口座◆
FPの会では様々な「ライフプラン講座」をご用意していますが、最近は「自分で作るiDeCo」「iDeCoとNISA」「投資信託のしくみ」等、資産形成に関する講座が人気です。受講者から「iDeCoとNISAについてわかった。始めてみたい」というお声を頂く一方で「実際の取引や確定申告等でわからな
いことがある」とご質問を頂くことがあります。そこで本日は、株式や投資信託の取引を始める際に知っておきたい「証券会社の口座の種類」について確認しましょう。

◆証券口座は大きく分けて2つ~「特定口座(源泉徴収あり)」を選べば確定申告は不要に~
証券会社で取引を始めるためには、まず口座を開く必要があります。証券会社の口座には「一般口座」と「特定口座」の2種類あります。一般口座は投資家(口座保有者)が自分で取引報告書を作り、確定申告をする必要のある口座です。対して「特定口座」は、投資家に代わって証券会社が取引報告書を作成してくれる口座です。
「特定口座」はさらに「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」のどちらかを選ぶことになっています。「特定口座(源泉徴収あり)」を選ぶと、配当金や分配金の受け取り、売買益等、取引で利益が出た時にはその都度証券会社が税金の計算を行い、納税手続きまでしてくれます(税額分は源泉徴収され、残
額が口座に入金されます)。「特定口座(源泉徴収なし)」を選ぶと、証券会社は投資家に代わってその年の年間取引報告書を作成してくれますが、確定申告と納税手続きは投資家が自分で行わなければなりません。したがって、「確定申告等の面倒な手続きは証券会社にお任せしたい」と思われる方は、「特定口座(源泉徴収あり)」を開設されることをお勧めします。実際、個人投資家はこの口座を開設することが一番多いと言われています。

◆NISA口座は、非課税枠内の取引ならば確定申告不要で税金もかからない
NISA(「少額投資非課税制度」)を始めたい方は、証券口座と別に「NISA口座(一般NISA、つみたてNISA、ジュニアNISA)」を開設する必要があります(証券口座開設時に同時に申込できます)。このいずれかのNISA口座を通して購入した株式や投資信託の配当金・分配金や売却益は、「少額投資非課税制度」によって非課税となります。つまり、同じ銘柄の株式・投資信託を購入する場合でも、一般口座や特定口座を通して購入すると20.315%の税率がかかりますが、NISA口座を通して購入した場合は非課税扱いということになります。
NISAには年間の非課税枠に上限があります。一般NISAは年間120万円(ジュニアNISA80万円)、つみたてNISAは年間40万円が上限です。 NISAは資産形成には大きなメリットのある制度ですが、1人1口座しか開設できない、一般NISAとつみたてNISAは併用できない、NISA口座で損失がでても損益通算できない等、制約も色々あります。それぞれの特徴を押さえ、「どの証券会社を選ぶか」に加え「どの口座を選ぶか」を考えてみてください。(青山)