(2024年4月16日発行)

四月も半ばを超えました。汗ばむ陽気に衣替えが間に合わない方もいらっしゃったのではないでしょうか。急に熱くなると、体温調節が難しいですね。どうぞご自愛ください。

◆6月から始まる所得税と個人住民税の「定額減税」について確認しよう

さて今春は賃上げのニュースが多く聞かれましたが、一方で物価は高止まりしています(2024年3月の東京都区部の消費者物価指数(速報値)は、2020年4月を100とした場合の数値が107.1)。まだまだ物価高の影響は私たちの暮らしに大きく影響していると言えます。

政府は、賃金上昇が物価上昇に追い付いていない現状を鑑み、定額減税を行うことで可処分所得の下支えをすることを昨年決めています。

その定額減税がいよいよ6月から始まります。今日は、定額減税について、ポイントを押さえましょう。

◆定額減税の概要~対象者と金額は

今回の定額減税措置は、所得税と個人住民税それぞれで行われます。対象者は、納税者本人と、配偶者を含む扶養家族です。金額は1人あたり、所得税が3万円、住民税が1万円となっています。合計所得金額1805万円(給与収入2000万円)を超える高所得者は対象外とされています。

例えば家計の主な担い手が夫、妻(扶養の範囲でパート勤務)、中学生と小学生の子どもが1人ずついるご家庭の場合は、所得税が3万円×4=12万円、個人住民税が1万円×4=4万円、減税される計算です。

◆所得税の減税方法

減税の方法は、給与所得者、公的年金等の受給者、事業所得者により違いがあります。

1.給与所得者

給与所得者は、令和6年6月1日以降に最初に受け取る給与または賞与支給時の源泉徴収額から3万円(該当者は家族の人数分)が差し引かれます。引ききれなかった金額は、7月以降の給与等の支給時に順次引いていきます。

2.公的年金等の受給者

公的年金等の受給者は、令和6年6月1日以降に受け取る年金支給時に、源泉徴収額から3万円が差し引かれます。引ききれなかった分は、8月、10月、と順次年金支給日に引いていきます。

所得税は、原則翌年(令和7年2月~3月)の確定申告時に減税となりますが、予定納税のある方は、予定納税時に3万円が差し引かれます。

3.個人事業主(事業所得者)の場合

◆個人住民税の減税方法

個人住民税も、対象者により減税方法が異なります。

1.給与所得者

給与所得者の場合、令和6年6月は住民税が徴収されません。年間の税額から減税分を差し引いた金額を11で割った金額が、令和6年7月以降11カ月間にわたり均等に徴収されます。

2.公的年金等の受給者

公的年金等の受給者は、減税分が引かれるのは10月からです。所得税と同様、10月分の年金支給時に減税し、引ききれなかった分は、次の支給時である12月以降に順次減税していきます。

3.個人事業主(事業所得者)の場合

令和6年度分の個人住民税の第1期分の納付額から引かれます。引ききれなかった分は、第2期分以降の納付額から、順次減税されます。

◆減税しきれない人には、差額を1万円単位で支給

定額減税の対象ではあるが、住民税と所得税の納税額が1人あたり4万円未満の人に対しては、部分的に給付による支援が行われます。差額が1万円単位で支給されますが、例えば所得税と住民税の定額減税額が2万8千円だった場合は、4万円との差額の1万2千円分が1万円単位で切り上げられ、2万円給付されることになります。この給付は、令和6年中の課税情報を基に前倒しで決定され、令和6年8月~9月頃を目途に始まる見込みのようです。

わが家のFPとして、6月分の給与明細書は是非ご確認を。また、給付を受け取れるかもしれない方、そちらもフォローしてくださいね。(青山)