(2024年8月23 日発行)
ここ数日、各地でゲリラ豪雨が発生しています。また、台風10号が発生し、来週にも日本に接近、上陸の可能性が出ています。温暖化の影響でしょうか、以前に比べて、強い勢力を保ったままやってくる台風が増えていると感じます。地震も気がかりですが、大雨や台風も気にかけて、いざという時に備えていきたいですね。
◆台風の災害は、どこまで火災保険でカバーできる?
台風のニュースが気になるところで、今日は、台風のどんな被害が火災保険でカバーできるのかを含めて、火災保険のイロハを具体的に確認しておきたいと思います。
◆火災保険でカバーされる災害
火災保険とは、その名の通り、火災等により建物や家財等に損害が生じた時に、その損害を補償する保険です。火災等の「等」の部分が大切で、これに含まれるのは、風災や雹災、雪災、落雷、破裂、爆発となっています。
よく「火災保険を契約する時には、家財も契約するように」と言われることがありますが、建物と家財はそれぞれ別々に契約する必要があります。
◆保険の対象となるもの
保険の対象は「建物」と「家財」です。「建物」には、建物本体だけでなく、付属設備も含まれます。門や塀、物置、車庫、浴槽や調理台も対象です。
「家財」は、家具や家電だけでなく、物置や宅配ボックス、自転車、食器、日用品、衣服等、日常生活で使用するものも幅広く対象となります。ただし、1個または1組の価額が30万円を超えるものは、あらかじめ「明記物件」として申告していないと補償されませんのでご注意ください。
◆台風被害で補償されるのは?
台風の被害に遭ったとき、火災保険で補償されるのはどのような場合でしょうか。
強風による被害は風災補償、落雷による被害は落雷補償でカバーされます。
大雨による災害は、水災補償をつけていればカバーされます。水災補償は火災保険の基本補償には含まれませんので、我が家の保険契約がどうなっているか、ぜひご確認ください。
◆保険の対象になるかどうかは、被害の原因により違ってくる
被害内容が同じでも、保険が適用されるケースと適用されないケースに分かれることがあることも押さえておきましょう。
例えば、家に風が吹き込んで、雨漏りが生じたケースを考えてみましょう。「強風などで物が飛んできて窓が割れ、雨風が吹き込んだ」場合は、風災が原因なので、補償の対象となります。しかし、家が古くなってドアや窓に隙間ができ、そこから雨風が吹き込んだ」という場合は、経年劣化によるものであり、風災が原因ではないため補償の対象外となります。
台風や大雨などの災害を口実に、「火災保険を使って修理ができますよ」と住宅の修理を勧誘するような事例も発生しているようです。もし勧誘などを受けて、疑わしい時は、すみやかに保険会社に問い合わせることをお勧めします。(青山)