(2024年9月6 日発行)

東京ではこのところ比較的過ごしやすい気候が続いていましたが、今日はまた暑さが戻ってきました。暑さがぶり返すと体へのダメージが大きいですね。どうぞご自愛ください。

◆多子世帯の方必見!大学授業料等無償化の内容が発表されています

さて、昨年12月に発表された「多子世帯の大学無償化」について、内容等が文部省のサイトで公表されています。今日は、この内容について確認しましょう。

◆多子世帯の大学授業料・入学金の無償化

2020年4月から行われている大学無償化(高等教育の修学支援新制度)は、授業料・入学金の減免と給付型奨学金の支給がセットで行われるというものです。

支援金額は最大で、授業料の全額(進学先により異なり、最大は私立大学の70万円)と入学金の全額(同じく進学先により異なり、最大は国公立大学の28万円)です。さらに、給付型奨学金が最大で年額約91万円受けられます。この制度には所得制限があり、年収約380万円程度の世帯までが支援対象でした。

今年(令和6年度)からこの支援対象が拡大され、多子(扶養される子どもの数が3人以上)世帯と、私立大学の理工農系に進学した学生のいる世帯について、年収要件を年収約600万円以下の世帯に緩和しました。ただし、支援額は授業料等の減額、給付奨学金ともに、全額支援の1/4となっています。

◆2025年度(令和7年度)からの変更点~多子世帯なら所得制限なく授業料・入学金が無償化

新改正により、来年度から、子どもを3人以上同時に扶養している多子世帯の場合は、所得制限なく授業料・入学金が全額無償化されます。

これは、令和6年度以前から在学している人(2年生以上)も対象です。これまでの大学無償化の対象で、支援額が満額ではなかった世帯(2/3、1/3支援世帯)でも、多子世帯であれば、支援額は現状の2/3または1/3支援から全額支援に増額されます。

例えば、私立大学(4年生)にお子さんが通っている場合の支援額は、授業料70万円×4年+入学金26万円=306万円になります。

◆注意点

1.「子ども3人以上」は、扶養しているかどうかがポイント

この制度の対象となるには、「子どもを3人以上同時に扶養している」ことが求められます。「扶養」がポイントで、子どもの進路によっても支援の有無が変わります。

例えば、3人きょうだいのご家庭を考えてみましょう。第1子が卒業して就職した場合は、(第1子が扶養から外れるため)扶養する子どもの数は2人となり、支援対象から外れます。しかし、第1子が大学を卒業後、大学院に進学して引き続き扶養されている場合は、扶養する子どもの数は3人なので、引き続き支援対象となります。

2.無償化の対象となる大学等とならない大学等がある

全ての高等教育機関が無償化の対象となるわけでないことにも注意が必要です。支援対象となる教育機関については毎年見直しが行われています。対象かどうか、ぜひ文部科学省のホームページでご確認ください。

2.留年した場合

この制度の対象となる学生には、出席率や修得単位数等の学業要件があります(現在見直し中)。

留年してしまうと、留年した学生の支援は打ち切られてしまいます(現行制度と同様)が、例えば第1子が留年しても引き続き扶養される場合は、扶養する子どもの数は3人なので第2子以下は支援対象になります。

なお、現行制度では、高校3年生の段階で申し込むことも可能(予約採用)ですが、令和7年度については、進学後に申し込む在学採用のみの予定とのことです。

新改正については、見直し中の箇所もありますので、該当するご家庭の方は、ぜひ今後も新情報に注意して頂きたいと思います。(青山)

<参考>

・文部科学省「令和7年度からの多子世帯の学生等に対する大学等の授業料・入学金の無償化等について」→

https://www.mext.go.jp/content/20240704-mxt_gakushi_100001505_2.pdf

・文部科学省「高等教育の修学支援新制度の対象機関リスト(全機関要件確認者の公表情報とりまとめ)」→