(2024年10月4 日発行)

10月に入りましたが、まだまだ暑い地域もあるようです。熱中症にはもうしばらく注意が必要ですね。

◆10月 無料オンラインセミナーのお知らせ(予告)◆

前回もご案内しましたが、10月27日(日)10時30分からワークショップ形式のセミナーを行います。お申込みURLは次回メルマガでご案内しますので、もうしばらくお待ちください。

◆教育訓練給付制度について

この10月から社会保険の適用拡大が行われたことは、ご存じの方が多いと思います。社会保険(健康保険、厚生年金保険)の加入対象となる条件が緩和され、従業員51人以上の企業で働く短時間労働者が新たに対象となりました。

10月からの改正で、もう一つ、働く皆さんに関係するのが「教育訓練給付制度の拡充」です。教育訓練給付金は、リスキリングの自己研鑽にも活用できるお金です。今日はこの教育訓練給付制度について、制度の概要と変更点を確認していきたいと思います。

◆教育訓練給付制度とは

「教育訓練給付制度」は、労働者の主体的なスキルアップやキャリア形成を支援するため、厚生労働大臣に指定された教育訓練を受講・修了した人に対し、その受講費用の一部が雇用保険から支給される制度です。制度を利用できるのは、雇用保険に加入しているか、加入していた離職者で、一定の条件を満たす人です(ハローワークで「支給要件照会」をすると、対象かどうかが分かります)。

教育訓練は、その内容やレベルに応じて「専門実践教育訓練」「特定一般教育訓練」「一般教育訓練」の3種類に分かれ、それぞれ支給金額(割合)が決まっています。今回の拡充の対象となったのは、このうち「専門実践教育訓練」と「特定一般教育訓練」です。

◆専門実践教育訓練

専門実践教育訓練は、労働者の中長期的なキャリア形成を支援するもので、看護師や社会福祉士、建築士などの業務独占資格および名称独占資格の取得を目指す講座や、専門職大学院、専門学校の職業実践専門課程など、専門的で実践的な訓練が対象となります。給付金を受け取りながら学べるのが特徴で、受講開始から6か月ごとに、本人が支払った教育訓練経費の50%(年間上限40万円)が最大3年支給されます。さらに、訓練修了後に資格を取得して就職すると、追加で教育訓練経費の20%(年間上限16万円)が支給されます。

10月からの改正で、さらに追加支給される条件が加わりました。上記の資格取得・就職に加え、訓練修了後の賃金が受講開始前と比較して5%以上増えた場合には、教育訓練経費の10%(年間上限8万円)を上乗せ支給されることになりました。

なお、この専門実践教育訓練給付金を受けるためには、特定のキャリアコンサルタントのコンサルティングを事前に受け、ハローワークで手続きする必要があります。詳細はハローワークにお問い合わせください。

◆特定一般教育訓練

特定一般教育訓練は、労働者の速やかな再就職と早期のキャリア形成を目的とした訓練です。訓練修了後に申請すると、教育訓練経費の40%(年間上限は20万円)が特定一般教育訓練給付金として支給されます。

10月から、この特定一般教育訓練給付金の給付条件が追加されました。訓練修了後の支給に加え、資格取得・就職した場合にも、教育訓練経費の10%(年間上限5万円)が追加支給されるようになりました。

特定一般教育訓練給付金を受給する場合も、専門実践教育訓練と同様、特定のキャリアコンサルタントのコンサルティングを訓練前に受けてからハローワークで手続きする必要があります。詳細はハローワークにお問い合わせください。

◆一般教育訓練給付金

10月の拡充の対象ではありませんが、いちばん身近な教育訓練と言えるのが一般教育訓練給付金です。対象となるのは、簿記検定、TOEICなど、スキルアップを支援する教育訓練です。訓練修了後に申請すると、教育訓練経費の20%(上限10万円)が支給されます。

教育訓練制度の対象となる教育訓練は約16,000講座あり、オンライン講座や夜間、土日に受講できる講座もあるようです。興味を持たれた方は、ぜひ一度、情報収集してみてください。

(青山)

<参考>

厚生労働省「教育訓練給付制度検索システム」https://www.kyufu.mhlw.go.jp/kensaku/

政府広報オンライン「教育訓練給付制度があなたのキャリアアップを支援します」https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201408/1.html#:~:text=%E4%B8%80%E8%88%AC%E6%95%99%E8%82%B2%E8%A8%93%E7%B7%B4%E7%B5%A6%E4%BB%98%E9%87%91%E3%81%A8