◆「争族」は意外と身近?!
皆さんは「相続」と聞くと、どんなことを思い浮かべますか?
「うちにはもめるほどの財産はないから大丈夫」とおっしゃる方も多いのですが、実は少ない財産を巡って『相続が争族になる』ことは決して珍しくありません。家庭裁判所で調停が成立したケースのうち、約3割は遺産総額が1,000万円以下というデータがあります。相続のトラブルは特別なお金持ちの話ではなく、誰の身にも起こりうることなのです。
◆誰でも取り組める相続対策
円満な相続のためには、まず相続に関する制度を知り、「わが家の場合はどうだろう」と家族で話し合っておくことが大切です。必要に応じて遺言書を作成しておくのも有効な対策です。とはいえ、いきなり家族で相続について話すのは簡単ではありませんし、「遺言書を書く」となると、さらにハードルが高いと感じる方も多いでしょう。でも実は、誰でも今すぐにできる相続対策があります。それは『財産一覧表』を作ることです。争いごとにならなくても、相続手続きは必ず発生します。どんな財産がどこに、いくらあるのかが分からなければ、相続の準備も事務手続きも進められません。
財産一覧表を作る際は、取引している銀行や証券会社ごとに金融資産の内容を書き出しましょう。現役世代の方は年に1回、年金世代の方は半年に1回の更新がおすすめです。定期的に見直すことで、自分の資産状況を常に把握しておけます。後期高齢者の世代になったら、口座の整理も意識しましょう。元気なうちに銀行口座を減らしたり、定期預金を普通預金にまとめたり、株や投資信託を売却して預貯金に変えておくことも、相続対策として有効です。
◆まずは財産一覧表の作成を
財産一覧表というと、「月末に」「年末に」など、きりの良い日に作りたくなりますが、思い立ったときに始めるのが一番です。週末など、少し時間のあるときに取りかかってみてください。相続対策としてはもちろん、家計を整理するきっかけにもなります。
相続は誰にでもおこることです。まずは“財産一覧表を作る”という一歩から始めてみませんか?
(藤井智子)
