◆60代の保障の考え方~晩婚・晩産で教育費が定年後に重なる時代
近年、日本では晩婚・晩産の傾向が強まっています。厚生労働省の人口動態統計によると、2024年の平均初婚年齢は夫が31.1歳、妻が29.8歳。30年前と比べて約3歳上昇しており、都市部では30代前半での結婚が主流になりつつあります。その結果、子どもが大学に進学する頃には親が60代という家庭も珍しくありませんが、教育費のピークが60代になることで、家計への負担は大きくなります。
◆死亡保障はまだ必要か?
定年を迎える60代では、多くの方が「保険はそろそろ見直し時」と考えるかもしれません。しかし大学生の子どもがいる家庭では、保障の必要性がまだ残っていることに注意が必要です。教育費の支払いが続いている中で、親に万が一のことがあれば、学費や生活費の継続が困難になる可能性があります。特に、定年後は収入が限られるため、死亡保険金が家族の生活を支える役割を果たすことになります。
◆保険料の負担と加入時の注意点
60代での医療保険加入には、いくつかの注意点があります。新規加入時の保険料は高くなりがちで、保障を手厚くしすぎると老後資金を圧迫することになります。また、健康状態による加入制限にも注意が必要です。60代は生活習慣病やがんなどの罹患リスクが高まる年代でもあり、すでに持病がある場合、通常の保険に加入できないこともあります。その場合は、引受基準緩和型(告知緩和型)保険を検討することになりますが、保障内容が限定されることが多く、月額保険料も高めで1万円程度に設定されていることもあります。高額療養費制度などの公的支援を踏まえ、必要な保障を検討するのが賢明です。大学生の子どもが扶養に入っている場合、親の医療費が家計に直撃するため、一定の保障は維持しておきたいところです。
他にも民間の介護保険について、加入を検討する家庭が増えています。給付条件や認定基準は商品によって異なるため、どのような状態で給付対象となるのか、要介護認定の基準や支給条件を事前に確認し、必要性を冷静に見極めることが重要です。
◆保障と家計の再設計を
教育費が続く60代の保障は、見直しのタイミングを誤ると、家計と安心の両方を損なう可能性があります。改めて、「誰のために、何の保障が必要か」を確認して、老後資金とのバランスを整えていきましょう。
(溝江淳子)
