◆老後資金をどう考える?
何歳からを「老後」と見るかは、人それぞれ。元気なシニアが増え、夫婦二人暮らし、単身、仕事を続ける人、リタイアする人…。働き方や暮らし方も多様になっています。
◆ 老後資金の“正解”は人それぞれ
「老後資金はいくら必要か」というテーマは皆さんにも関心の高いことですが、実は明確な答え、正解はありません。なぜなら、何歳まで、どんな健康状態で生きるかは誰にも分からないからです。また生き方が違えば、必要なお金も変わります。
だからこそ、まずは「どこで、誰と、どんな風に暮らすのか」を考えることが大切です。
◆90歳、できれば100歳までの見通しを
老後の資金計画として、次の3つを整理してみましょう。
・ 現在の家計収支と貯蓄の把握
・今後20〜30年で起こりそうなイベントとその予算
・収入と支出の見通しから、資産がどう増減するか
長期的なお金の流れと資産の動きを見ることで、漠然とした不安も「見える化」されます。
◆老後の主な収入は公的年金
老後収入の柱である自分の年金額は、毎年届く「ねんきん定期便」で確認できます。
年金は1階部分の国民年金、2階部分の厚生年金から構成され、加入制度によって受取額が変わります。税金や社会保険制度の改正もあり、手取りは変化していきますが、平均的には、国民年金が約6万円 、厚生年金は約15万円です(厚生労働省「国民生活基礎調査」2024年)。
収支で見ると、一般的な高齢夫婦世帯では 、平均年金月額が25万円、支出が28万円。単身世帯は、平均年金月額が14万円に対し、支出が16万円です(総務省「家計調査」2024年)。つまり、不足分は貯蓄から取り崩す必要があるということになります。
◆貯蓄を増やす3つの方法
貯蓄を増やすには、次の3つの方法があります。
1. 収入を増やす(できるだけ長く働く)
2. 支出を減らす(家計の見直し)
3. お金に働いてもらう(自分年金や企業年金、投資による資産形成など)
そして何より、健康でいることも大切です。
◆制度も味方にする
iDeCoやNISAなど、国も老後資金づくりを後押しする制度を整えています。 また厚生年金の適用拡大も進められています。これらの制度を早めに取り入れることで効果が期待できます。
ただし、仕組みを理解し、メリットとリスクを納得したうえで活用することが前提です。
◆人生の三大資金は同時進行の時代へ
人生の三大資金である老後資金、教育資金、住宅資金。かつては大体順番にやってきたこれらのイベントも、今は重なり合うことも増えました。自分の価値観に合わせて優先順位をつけ、資金準備していくことが大切なのです。
FPの会には、「iDeCoとNISA(入門編、実践編)」「お金との付き合い方」「年金」「税金」などの講座があります。
情報収集や将来設計のヒントとして、ぜひお役立てください。
(野村由季)
