(2024年2月22 日発行)

一気に春が近づいたかと思いきや、すっと遠ざかってしまうような、ゆらぎの大きい気候が続いています。体調管理が難しいこの頃ですね。大学入試は私立大学がほぼ終了し、いよいよ国公立大学の前期試験です。受験生、頑張れ!

◆今年度の無料オンラインセミナーが終了しました◆

今年度の無料オンラインセミナーは、18日の「お葬式」講座をもって終了致しました。ご参加くださった皆様、ありがとうございました。来年度も皆様に「聴いてよかった」と思って頂けるような講座を企画して参りたいと思います。聞きたいテーマ等がございましたら、弊会ホームページのお問合せページからメッセージをお寄せください。今後の企画の参考にさせていただきます。

◆さらっと確認。「大学無償化」、何がいつから?◆

昨年12月に、「大学無償化」についての新たな施策が発表されました。2025年度から、多子世帯の学生の大学等高等教育の無償化が始まる、というものです。注目された方もいらっしゃることでしょう。

大学無償化は2020年から始まっていますが、現時点での対象者はかなり限られています。日本の高等教育(大学、短大、専門学校等)に対する家庭の資金負担割合は世界的に見ても多いこともあり、子育て支援の観点から、親の教育費負担軽減を進めるべく、2024年度と2025年度に順次対象が拡大されることになりました。

今日は、現行の大学無償化制度と、2024年、2025年に予定されている変更点について整理したいと思います。

◆2020年4月から始まっている大学無償化(現行制度)◆

2020年4月から始まった大学無償化は、正式な名称を「高等教育の修学支援新制度」といいます。家庭の経済状況等の理由で進学の機会が失われることのないように、できた制度です。対象となるのは「世帯収入・資産状況の条件を満たす、学修意欲のある学生」で、世帯収入の要件は住民税非課税世帯およびそれに準ずる世帯となっています。

この制度の特徴は、「授業料・入学金の減免」と「給付型奨学金の支給」が2点セットで行われることです。対象者は学費等の大きなお金が免除されるのに加え、給付型奨学金により生活面の支援も受けられます。支援額は、授業料免除が年額で最大約70万円、入学金免除が最大で約26万円です。これに加えて、給付型奨学金を最大年額約91万円受け取ることができます。支援の金額は世帯収入に応じた3段階の基準で決まり、住民税非課税世帯が上限額、準ずる世帯は世帯収入により上限額の3分の2または3分の1の金額が支援されます。

◆2024年の拡大対象は多子世帯と理系進学者で、授業料等の減免のみ◆

2024年度は、多子世帯の中間層と理系(理工農系)の中間層に支援対象が拡大されます。新たに対象となるのは世帯年収600万円未満の多子世帯(扶養するこの数が3人以上)または理工農系学部(もしくは学位の分野が理学・工学・農学)の学生です。多子世帯に対しては授業料・入学金の全額支援金額の4分の1が支援されます。理工農系の場合は、文系との授業料の差額

が支援されます。

◆2025年度からは、多子世帯であれば所得制限なく全額支援の対象に◆

2025年からは、支援対象の所得制限が撤廃され、原則多子世帯は全て対象となります。但し2024年の改正と同じく「扶養する子どもが3人以上」という多子世帯の要件に注意が必要です。

◆「扶養する子どもが3人」という条件◆

子どもは年々成長するので、扶養家族の対象となる子どもの数も変わります。

例えば、3人の子どもがいるケースで、一番上のお子さんが大学生、下が中高生と続く場合は、3人が扶養対象なので無償化の対象です。でも、一番上のお子さんが大学を卒業し、就職して扶養家族から外れたらどうなるでしょうか。扶養する子どもの数は2名となり、無償化の対象外となります。

今回の施策により、大学無償化の恩恵を受けられる家庭が増えることについて異論はありませんが、それぞれの家庭が「我が家の場合」を正しく把握しなければいけないと強く感じました。

◆進学先が支援の対象になっているかもご確認を◆

ここまでは大学無償化の対象となる学生の要件についてお伝えしましたが、もう一つ大切な要件があります。進学先が「大学無償化の対象校である」ことが必要です。かなり多くの学校が対象となってはいますが、進学先が対象かどうかの確認は、必ず行うようにしてください。対象校は文部科学省のホームページに掲載されています。https://www.mext.go.jp/kyufu/support_tg.htm

(青山)