(2020年2月27日発行)
新型コロナウイルスの感染拡大は、様々な方面に影響を及ぼしています。
今日は、新型コロナウイルス感染症にかかった場合の医療費や保険金について確認します。
◆「指定感染症」に指定され、入院患者の医療費は公費負担に
国は、1月28日に新型コロナウイルス感染症を感染症法(「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」)に基づく「指定感染症」、検疫法に基づく「検疫感染症」に指定しました。これにより、患者の入院や就業規制、医師からの迅速な届け出、濃厚接触者の把握(積極的な疫学調査)等が可能となりました。
患者側から見ると、診療後にPCR検査で陽性となった場合には、勧告されて実質強制的に入院となるが、医療費は公費で賄われることになります。
◆保険からの支払はどうなる?
それでは、私的に契約している保険から保険金は支払われるのでしょうか?
1.医療保険→支払われる
新型コロナウイルス感染症は給付金の支払い対象の「疾病」に該当しますので、入金給付金等が支払われます。万が一死亡した場合は、疾病による死亡保険金が支払われます。
2.普通傷害保険→支払われない
傷害保険は日常生活におけるケガなどを補償します。新型コロナウイルス感染症は「疾病」なので、一般的に傷害保険の支払い対象外です。
では、傷害保険に特定感染症を補償する特約を付けている場合はどうでしょうか?実はこの場合も支払い対象外です。現時点で新型コロナウイルス感染症は特約の支払い対象となる「1級~3級感染症」ではないため、支払い対象となりません(ちなみに1級感染症はエボラ出血熱やペスト等、2級感染症は結核やSARS等、3級感染症はコレラや細菌性赤痢等です)。
3.海外旅行保険→支払われる
海外旅行中に新型コロナウイルス感染症にかかり、現地の病院で治療を受けたような場合には、海外旅行保険から治療にかかる費用等が支払われます。今回のクルーズ船の乗客のように、政府による隔離措置の対象となった場合に保険責任期間を自動延長する措置が取られているケースもあるようです。 上に挙げた支払いの可否は一般論であり、保険会社によって扱いが異なる場合があります。「わが家の場合」はどうか、これを機にHPなどで確認してみてください。(青山)