(2022年8月2日発行)

史上最高気温を更新する暑さが続いています。マスク着用のガイドラインが出ていますが、ここまで暑いとマスクを着用しての生活も苦しくなってきますね。感染拡大の第7波はまだまだ収まる兆しが見えませんが、熱中症にもどうぞお気をつけください。

◆改正育児介護休業法◆

昨年6月に公布された改正育児介護休業法が、今年の4月から順次施行されています。

今日は、この改正育児介護休業法について、ポイントを確認しましょう。

◆育児・介護休業法とは?◆

「育児・介護休業法」は、正式には「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」といいます。名前の通り、労働者が仕事と育児、または仕事と介護を両立できるようにするため、休業取得や労働時間の短縮、所定外・時間外労働等の制限や、看護・介護するための休暇取得等について定めています。

この制度に加えて、雇用保険からは所定の育児休業給付や介護休業給付が受けられるようになっており、取得の枠組みと経済面の支援により、育児や介護を後押しする政策となっています。

◆改正のあらまし◆

今回の改正は、育児休業の方に焦点を当てたものになっています。ポイントは次の4つです。

1.産後パパ育休(出産時育児休業)の創設

2.育児休業の分割取得が可能に

3.有期雇用労働者の育児休業・介護休業取得要件の緩和

4.育児休業を取得しやすい雇用環境整備、妊娠・出産を申し出た労働者に対し育児休業制度があることの個別周知、それらを取得するかの意向確認を行うことの義務化

上記のうち3と4についてはこの4月から施行されています。10月から施行される1と2については以下の通りです。

◆「産後パパ育休」創設◆

新たに創設された産後パパ育休は、出産時に柔軟に育児休業が取得できる制度です。子の出生後8週間以内に、4週間まで取得できます。申出期限は原則休業2週間前までと比較的直前の申請が可能(現行制度では原則1か月前まで)で、分割して取得することができます(2回まで)。例えば、産後すぐ(退院時など)に短期間取得して、8週間以内の別の時期にもう1回取得する、ということが可能になります。また、労働者と事業主が個別に合意すれば、事前に調整した上で休業中に就業することも可能になりました。

◆育児休業の分割取得◆

育児休業は、原則子が1歳になるまで(保育園に入れないなどの事情がある場合は最長2歳まで)取得可能です。現行制度では分割して取得することができず、(保育所に入所できない等の理由で)1歳以降も育休を延長する場合の育休開始日は1歳か1歳半の時点と限定され、再取得することはできない等、不便の多い制度でした。

今回の改正により、育児休業を夫婦ともに分割して2回取得することが可能になりました。また、1歳以降の育児休業の開始時点が柔軟化され、取得時期を選べるようになりました。これにより例えば妻が職場復帰するタイミングで夫が2度目の育児休暇を取ることや、1歳以降の育児休業を夫婦で交代しながら取得することができるようになりました。

今回の改正で、制度面での整備はかなり進んだと言えますが、取得しやすさ(環境ができているか)、という点においてはまだまだ発展途上であると思います。社会全体が、子育てしながら働く人たちに優しくなることが期待されています。(青山)