(2022年7月3日発行)

観測史上最速の梅雨明けを経て、連日記録的な暑さが続いています。既に夏バテしているという方がいらっしゃるかもしれませんね。どうぞご自愛ください。

物価高や海外金利、為替等に関するニュースが増え、お金の価値や資産運用について改めて考え始める方もいらっしゃるのではないでしょうか。資産運用を始めるにあたっては、「資産運用にどれくらいの金額を回せばいいのか?」等気になることもあるでしょう。今日は、資産運用を始める前に押さえておきたい基本的な考え方を確認します。

◆資産運用を考える基本的な3ステップ◆

資産運用を始める時には、次の3つのステップで考えていきましょう。

  1. 資金の色分け

「資産運用にいくら回すか?」を具体的に考えるために、まずは今持っているお金をライフプランと照らし合わせ、目的と時期で色分けすることから始めましょう。現在保有しているお金を①生活資金、②いざという時のための予備の生活資金、③住宅購入や教育資金など将来のライフイベントのための資金(10年以内に使う予定あり)、④当面使う予定のない余裕資金(使う予定は10年以上先)、の4つに分けてみてください。②の予備の生活資金は一般的に、毎月の生活費の3か月分から1年分を用意しておくと安心です。

2.色分けしたお金に合った金融商品を割り当てる

①の生活資金は「必要な時にすぐ使える(換金できる)」ようにしておくことが大切なので、普通預金やMMF等の流動性が高い金融商品で運用するのが適しています。

②予備の生活資金や③将来のイベント資金は、「使いたいときに確実に使えるようにしておく(用意しているお金を目減りさせない)」ことが重要です。定期預金や個人向け国債など、安全性の高い金融商品で運用しておくと安心です。

資産運用に回せるのは④の余裕資金ということになります。今すぐ使う予定がなく、生活にも影響しない資金であれば、株式や投資信託、外貨建て商品等のリスクのある金融商品で運用することも検討可能です。

資金を色分けしていくと、資産運用に回せるお金がない場合もあると思います。その場合は、毎月積み立てをして少しずつ運用資産を作っていく(資産形成する)ことから始めていきましょう。

3.自分のリスク許容度を考えて運用商品を選ぶ

収益性の高い商品は、大きなリターン(収益)が期待できる一方、運用結果が思うようにならないリスクも大きくなります。リスク許容度(自分がどれくらい資産の値下がり等に耐えられるのか?)は、個人差が非常に大きい部分です。少額であっても資産が値下がりすることに耐えられないのであれば、収益性は低くても安全性の高い商品で運用する方がいいかもしれません。金融商品を選ぶ際には、想定されるリスクを自分が本当に許容できるか?もきちんと考えて頂きたいと思います。

◆利用できる制度を上手に使う◆

資産運用や資産形成の際には、税制優遇のメリットがあるiDeCoやNISA等の制度を上手に活用することも大切です。FPの会では、「自分で作るiDeCo」「iDeCoとNISA」等、資産形成の基礎知識を学ぶ講座が人気です。興味のある方は是非受講してみてください。(青山)