(2019年7月4日発行)

◆相続が変わった(1)

7月1日、改正相続法(「民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律」)が施行され、様々な改正が行われました。これから3回にわたりこの改正について見ていきます。初回の今日は「相続手続き中の預貯金の払戻し制度」について確認します。

◆相続手続き中の預金の払戻しが可能に

これまで、亡くなった故人名義の預貯金は、遺産分割協議が終了するまで相続人全員の同意がなければ払戻しができませんでした。「葬儀費用や当座の生活費に充てたかったのに、それができず困った」というご経験をお持ちの方もいらっしゃることでしょう。このような不便を解消すべく、「預貯金の払戻し制度」が創設されました。

◆制度のポイント
~一定金額までは相続人単独での払戻しが可能に

相続人は、家庭裁判所の判断を仰ぐ必要なく、「一定金額」までは単独で払戻しすることができるようになりました。「一定金額」は、相続開始時の預金残高×法定相続分×1/3で求めます。ただし1金融機関あたり150万円までと上限が定められており、当座の小口現金需要に対応するためとの位置づけが明確です。
FPの会でも「相続が変わる!」講座が各地で始まりました。今回の民法改正のあらましを知り、最新情報を得ることができます。ぜひ講座を企画・参加して、情報をブラッシュアップしてください。               (青山)