(2021年3月15日発行)
昨日東京で桜が開花しました。近所では木蓮も咲き始め、沈丁花もよい香りを漂わせています。春の盛りももうすぐですね。
◆iDeCoの注意点(基本のキ
後編)
さて前回は、「iDeCo 基本のキ」と称してiDeCoが自分で年金(=老後資金)を作る制度であることや、年金作りを進めるために様々な税制優遇があることをお伝えしました。
今回はその後編として、iDeCoのデメリット(注意して頂きたい点)をお伝えします。
◆資金が使える(受け取れる)のは基本60歳以降
iDeCoは老後の年金を自分で作る制度ですので基本的には老後(60歳以降)にならないと受け取れません。このルールをデメリットに挙げる方もいますが、私は逆に子育て世代にとってはむしろ老後資金を着実に貯めるために好都合なルールと考えています。何かと物入りで、教育費がかさみやむなく貯蓄の取り崩しの必要に迫られても、iDeCoには手を付けられません。結果的にiDeCoに積み立てているお金は確実に老後用にとっておくことが可能になります。
◆老後に受け取る金額は運用成績で変わる
前回からお伝えしていますが、iDeCoは加入者が運用します。出来るだけ多くの金額を受け取るために、運用商品や手数料にも配慮したいところです。
◆手数料がかかる
手数料は次のような時にかかります。
1.加入時
iDeCo実施機関である国民年金基金連合会に、加入時と移管(他の企業型確定拠出年金からiDeCoに資産を移すこと)時に2829円を支払います(初回のみ)。
2.運用期間中
運用期間中にかかる手数料は次の通りです。
①掛金納付時の手数料 105円(支払先:国民年金基金連合会)
②事務委託手数料 66円(同:信託銀行)
③運営機関の口座管理手数料 0~600円程度(同:金融機関)
詳細は割愛しますが、他に資金の受取時(給付時)や掛金の還付時に手数料がかかります。
運用期間中の管理手数料は金融機関により差がありますが、年額で大体2000円~8000円弱位です。
3.運用商品のコスト(信託報酬)
見過ごしてはならないのが運用商品のコストです。iDeCoで選んだ投資信託等には、運用のお任せ料として信託報酬がかかります。信託報酬は、金額に対して何%という形で、保有期間中毎日差し引かれる費用です。運用資産が多い人、運用期間が長い人(60歳まで期間のある若い人)は、特にその影響が大きくなります。
◆課税所得がない人は掛金の所得控除が受けられない
最後に、iDeCoは課税所得がある方にメリットの大きい制度であることを押さえておきましょう。iDeCoの掛金に適用される小規模企業共済等掛金控除は、加入者本人の所得からのみ控除できます。所得のない専業主婦等が加入しても、配偶者の所得から掛金を所得控除することはできませんのでご注意ください。
当会の「自分で作るiDeCo」講座が人気です。来年度からはオンラインでも行いますので、是非一度聞いてみてください。(青山)