(2021年4月15日発行)
中高生の弁当持参が始まり、早起きをしています。今朝は久しぶりに寒さを感じ、暖房を入れました。これまでが暖かかった分、平年並みの気温も寒く感じられます。
さて、民法改正により来年4月1日から成年年齢が引き下げられます。施行まで一年を切り、法務省や消費者庁等の関係省庁が特設サイトを立ち上げ、周知キャンペーンを始めています。今回は、「成年年齢引き下げ」について確認しましょう。
◆成年年齢とは?いつから変わるの?
民法で定める成年年齢は、①一人で有効な契約を行うことができる年齢、②父母の親権に服さなくなる年齢、という二つの意味を含んでいます。父母は未成年者を監護、教育する義務があり、未成年者は父母の同意なしに契約などの法律行為は行えないということです。
成年年齢は明治29年(1896年)の民法制定以来「20歳」と定められていますが、2022年4月1日から「18歳」に変更されます。2022年4月1日時点で18歳、19歳の方(2004年4月1日までに生まれた方)はその日から、2004年4月2日以降生まれの方は18歳の誕生日を迎えたら成年となります。
◆女性の婚姻開始年齢も変わる!
現行法では、男性が18歳、女性は16歳で結婚できますが、改正後は婚姻開始年齢が男女とも18歳に統一されます。女性の結婚年齢が2歳引き上げられます。
◆成年年齢引き下げで変わるのは?
成年年齢の引き下げで変わるのは、大きく次の2つです。
1.親の同意なしに様々な契約を単独で行えるようになる
未成年(未婚)であれば、親(親権者)の同意がない契約は取り消すことができます(未成年者取消権)。しかし成年となれば、18歳でも締結した契約を取り消すことはできなくなります(ただし2022年4月1日より前に18歳・19歳の方が親の同意なしに締結した契約は、引き続き取り消すことができます)。
2.自分で住む場所等を決めることが出来るようになる
親権に服することがなくなる(=親の監護から離れる)ため、住む場所や進路、仕事等を自分の意思で自由に決められるようになります。
その他、公認会計士、司法書士、社会保険労務士等の資格取得や、帰化申請、性別取り扱い変更の審判等も可能になります。
◆成年年齢引き下げでも変あわらないのは?
成年年齢が引き下げられても、飲酒や喫煙、競馬の馬券購入等は引き続き20歳にならないとできません。国民年金の加入義務も20歳以上のままです。
◆消費者トラブルに要注意!
民法改正後は親の同意なしに契約することが可能になるため、若者の消費者被害の拡大が懸念されています。
次回は、若者の消費者トラブルの状況等についてお伝えします。(青山)