(2021年5月1日発行)

緊急事態宣言下で静かに始まったゴールデンウィーク、皆さまいかがお過ごしでしょうか。

前回は成年年齢引き下げについてお伝えしましたが、成年年齢引き下げに伴い懸念されているのが若者の消費者被害の増加です。今回は、若者の消費者トラブルに関する現状について、国民生活センターと東京都が公開している情報からお伝えします。

◆若者はどれくらい消費者トラブルに遭っているのか

PIO-NET(全国消費生活情報ネットワークシステム)に登録されたデータによると、2020年度(2月末まで)に18・19歳(未成年)の若者から寄せられた消費生活相談件数は4,820件ありました。一方で20代前半(20~24歳)の若者の相談件数は7,741件でした(※1)。また東京都の別の調査(※2)によると、都内在住の若者(2,400人)の6.5%(156人)が実際に消費者被害に遭ったことがあり、被害には至らなかったが請求(勧誘)されたことのある人は28.6%(686人)いたとのことです。3割強の若者が消費者トラブルに遭遇している現状であり、消費者トラブルは決して他人事ではないといえます。

◆トラブルの内容

実際にどのような被害に遭っているのでしょうか。18・19歳、20~24歳に共通して多いのは、健康食品(ダイエットサプリメント、バストアップサプリメント等)や化粧品(除毛材等)等の詐欺的な定期購入、洋服等の詐欺・模倣品サイト、アダルト・出会い系サイトのトラブルです。20~24歳では、情報商材やオンラインカジノ、仮想通貨等の暗号資産、投資用のUSB等のお金の儲け話に関するトラブル、エステや脱毛等の美容医療に関するトラブルが増えます。トラブル金額も18・19歳の平均額が約16万円なのに比べ、20~24歳では約42万円と大幅に高額となっています。成人すると、借金をさせてその場で高額契約を取り付けるケースも見られます。

◆トラブルのきっかけ

インターネット(SNS)をきっかけとしたトラブルが多くなっています。SNSの広告や書き込みを見て連絡し、お試しで購入したところ解約できないケースや、SNSで知りあった人から誘われて…といったケースが発生しています。また学校や職場の友人・知人から誘われることもあります。友人・知人間の勧誘は、自分が加害者になってしまう可能性もあります。

◆周囲の大人も知識をつけよう

成年年齢引き下げを見据えて、現在の中高生は、家庭科の授業で消費者被害についてかなり詳しく学ぶようになりました。しかし身近にいる大人のアドバイスや助けは不可欠であり、益々重要になってくると思われます。我が家のFPとしても是非正しい情報、知識を得て頂きたいと思います。(青山)

<参考資料>

※1 独立行政法人国民生活センター「狙われる⁉18歳・19歳 『金』と『美』の消費者トラブルに気を付けて!」

※2 東京都生活文化局「若者の消費者被害に関する調査」