(2021年9月15日発行)

本日は久しぶりにすっきりと晴れました(東京北部)。日没も日に日に早まり、秋の訪れを感じるこの頃です。今年の中秋の名月は21日。中秋の名月と満月が重なる年だそうですので、まんまるお月様を愛でることができるかもしれません。

さて、本日のメルマガはいつもと趣向を変え、当会メンバーの藤井智子より書籍のご紹介を致します。

◆図書のご紹介

日頃はライフプランに関連した情報をお伝えしていますが、今回は少し趣を変えて、テーマが全く違う図書を2冊紹介します。

1冊目は、社会学者の上野千鶴子さんの「在宅ひとり死のススメ」(文春新書)。2冊目は、気象予報士の斉田季実治さんの「新・いのちを守る気象情報」(NHK出版新書)です。全く関係ないようですが、実はこの2冊、今年のお盆に関係しています。お盆は、先祖の精霊を迎え供養する期間で、死と密接なつながりがある行事です。上野さんの本は、人生最期までをどう生きるかのヒントになります。そして今年のお盆前後は、本州付近に前線が停滞し、さらに低気圧の影響により、各地で豪雨による災害が発生しました。斉田さんの本は、自然災害からいのちを守るために知っておきたい内容です。

まず上野さんの著書の表帯には、「おひとりさまでも、認知症でも大丈夫。慣れ親しんだ自宅で幸せな最後を迎える方法」とあります。裏帯には、「さよなら、『孤独死』。これからは『幸せな在宅ひとり死』へ」とあり、さらに「現在72歳。このまま人生の下り坂をくだり、要介護認定を受け、一人静かに死んで。ある日、亡くなっているのを発見されたらそれを『孤独死』とは、呼ばれたくない。それが本書の執筆動機です」と続いています。「幸せな在宅ひとり死」を迎えるためには、元気な時から人生最期を迎える時まで心構えと準備が必要です。認知症や介護が必要になった時にどうするのか、自分で考えて選ぶ必要があります。高齢者をめぐる社会状況は変化しています。今後の変化を視野に入れつつ、高齢期という次のステップを考えるための手がかりとなる著書です。読み終わった時、上野さんの考えに共感される方も多いのではないでしょうか。

そして斉田さんの著書です。「今日は、傘を持ってでかけた方がいい?」「洗濯物は外に干しても大丈夫?」など、天気予報は日々の暮らしに密着しています。著者は気象予報士で、テレビ番組の気象キャスターとして活躍されていますが、防災士、危機管理士でもあります。ですから、単に天気の情報を伝えるだけでなく、自然災害でいのちを失わないためにどうすればよいのか?と言う視点で書かれたのがこの本です。気象情報の活かし方、そして危険な状況になった時に、実際に行動するのは自分自身であることを強く意識する重要性、そしてどのような行動をすべきかが具体的に書かれています。「いつ」「どの情報に注目すべきか」について、理解するための知識として、気象の専門的な内容もやさしく解説されています。本書では、「大雨」「台風」「雷」「竜巻」「猛暑」「大雪」「地震」「火山」と8章に分かれていますので、その発生のメカ二ズムも学べるのでおススメです。

ライフプランの根本にあるのは人生をどう生きるかです。どう生きるかは、命を守り、そして最期をどう迎えるかにつながります。自宅で過ごす時間が長くなっている方も多いのではないでしょうか?ゆっくり本を読むきっかけとして、私が最近読んで興味深かった本を2冊紹介しました。(藤井智子)