(2022年1月2日発行)
あけましておめでとうございます。
本年も講座やメルマガを通して暮らしに役立つ情報を発信して参ります。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
◆2022年1月1日から健康保険法が改正されました◆
健康保険法が改正され、昨日より「傷病手当金の支給期間」と「任意継続被保険者制度」についてのルールが変わりました。本日はこの内容について確認します。
◆傷病手当金の支給期間の通算化◆
傷病手当金は、業務外の病気やケガで働けず給与の支払いもなくなった場合に、休業中の生活保障として賃金(標準報酬日額)の3分の2が支給されるものです※1。
これまで傷病手当金の支給期間は「支給開始日(休業4日目)から最長1年6か月」でしたが、「支給開始日から通算して1年6か月」に変更されました。
これまでの制度の「最長1年6か月」は、支給される期間ではなく、暦上の1年6か月です。例えば休職→復職→休職という経過をたどった場合、復職期間は1年6か月に含まれ、支給開始後1年6か月後に支給が打ち切られてしまった後は復職期間分の傷病手当金が受け取れませんでした。しかし改正で「通算1年6か月」になったことにより、支給期間(休職期間)を通算して1年6か月になるまで傷病手当金が支給される(復職期間の日数分を延長して支給される)形に変更となりました。病気を治療しながら働く人は今や労働人口の3人に1人とも言われています。今回の改正は病気療養中の生活保障を充実させる、働く人の視点に立った改正と言えるでしょう。
※1.傷病手当金は健康保険加入者に支給されるもので、自営業者等が加入する国民健康保険にはない制度です。
◆任意継続被保険者制度の見直し◆
任意継続被保険者制度は、健康保険の被保険者が、退職後も引き続き最大2年間退職前に加入していた健康保険の被保険者になることを選択できる制度です。退職に伴う無保険状態を回避でき、勤務中と同様の健康保険の給付が受けられる(健保によって違いあり)メリットがある一方、保険料は全額本人負担(上限あり)で、原則2年間は自由に資格喪失ができない(=任意継続被保険者制度を脱退して国民健康保険に加入したり配偶者の健康保険の被扶養者になることができない)等、不自由な面もありました。
今回の改正で被保険者の任意脱退が認められるようになり、この不自由さは解消されました。退職後の健康保険については様々な要素を考え総合して検討する必要がありますが、今回の改正で「我が家の場合」についてより柔軟に考えられるようになったと言えます。(青山)