(2022年1月16日発行)
昨日の午後に発生したトンガ諸島の大規模噴火の影響で、日本の沿岸地域で津波注意報が発令されました。解除されたとはいえ、まだ該当地域のみなさまは不安な気持ちでいらっしゃることと思います。心よりお見舞い申し上げるとともに、事態が早く収束するよう願っています。
さて、もし今回のような「津波」で損害を被ると、通常の火災保険では補償されません。地震保険の補償対象となります。
今日は、改めて地震保険について確認していきましょう。
◆地震保険の概要◆
地震保険は「地震や噴火、またはこれらによる津波を原因とする損害(火災、損壊、埋没、流失)」に備える保険です。単独で加入することはできず、火災保険とセットで加入する必要があります。現在加入している火災保険に地震保険がセットされていない場合は、契約期間の途中で地震保険を付けることが可能です。
地震保険の対象は居住用建物と家財で、賃貸の場合は家財のみです。建物と家財は各々で加入する必要があります。契約できる金額は火災保険の契約金額の30~50%の範囲内で、限度額は建物5000万円、家財1000万円と定められています(ただし、現金や有価証券、1個または1組の価額が30万円を超える貴金属等、補償されないものもあります)。
◆保険料と支払い金額◆
地震保険の保険料は、建物の構造と所在地により異なります。補償内容が同じであれば、どこの保険会社でも保険料は同じです。建物の築年数や免震・耐震性能に応じた割引制度があり、税制面では「地震保険料控除」が受けられます。
保険金は、損害の程度に応じて「全損」から「一部損」まで4段階の基準があり、基準毎に決められた一定割合を支払う形となっています(最大額が「全損」の保険金額×100%、最小額は「一部損」の保険金額×5%)。建物の損害調査は基礎・柱・壁・屋根等の主要構造部に着目して行われます。門や塀、エレベーターや給排水設備のみ、といった主要構造部以外の損害や、「一部損」にも該当しない軽度の損害の場合には、保険金は支払われません。地震保険の目的は「被災者の生活の安定に寄与すること」であり、被災後迅速に保険金が支払われることで、被災者の生活再建に大きな役割を果たします。損害を元の状態に戻す(建物の修復や立替・買替)ことを目的とする火災保険とはそもそも目的が違うということは、押さえておきたいポイントです。
◆さて我が家の補償は?◆
日本では、昨年1年間に震度5弱以上を記録する地震が10回発生しました。また国内には111の活火山があり、いつ噴火が起こっても不思議ではありません。地震保険について正しく知った上で、いま一度、我が家の補償についても見直して頂きたいと思います。(青山)