(2022年4月17日発行)

社会情勢が緊迫し、経済面でも20年ぶりの円安、物価高等問題が噴出しています。

生活への不安が増している今こそ、私たちの暮らしを守る制度について知識を付けておきたいものです。本日は、当会の藤井より、書籍をご紹介します。

◆一家に一冊~「届け出だけでもらえるお金」

 私たちの暮らしは、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と定められた憲法25条によって守られています。そしてそのために「国はすべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」とあります。

私たちの暮らしが、社会福祉や社会保障などで守られているのは確かなのですが、それらを利用するためには申請手続きが必要です。ただ利用できる制度や手続きについて、その都度教えてくれる人がいれば良いのですが、身近にそのような人がいない場合も多いのではないでしょうか?今回とりあげるのは、どんな時にどんな助けが得られるかを教えてくれる本です。

ご紹介するのは、『届け出だけでもらえるお金』(井戸美枝著・プレジデント社)です。この本は、人生のさまざまな場面で給付や補助が受けられる制度が紹介されています。

本文は8つのパートに分かれています(①結婚・出産、②育児・教育、③住まい、④病気・ケガ、⑤転職・失業、⑥災害、⑦老後、⑧弔意)。パートがわかれているので、何か使える制度がないか?と思った時に探しやすくなっています。そして受けられる制度については、見開き2ページで紹介されており、もらえる金額の目安、内容、対象者、届け出先が明記されています。

著者の井戸さんは、まえがきで次のように書かれています。

「そんな制度があるなんて知らなかった」「国がもっと宣伝してくれなくちゃ」 そう思う人もいるでしょう。でも文句をいってもはじまりません。あなたが困っていることを、国も、市区町村も知らない。だから自ら情報を探したり、自ら助けを求めたりすることが大切です。

本書は一家に一冊、薬箱のように、いつでも目に入るところにおいていただけるよう執筆しました。

法律の世界では、「権利の上にねむるものは、保護に値せず」という考えがあるそうです。せっかく受け取る権利があっても、申請しない人はもらえません。大切なのは「こんな制度がある」と知っておくことです。

何かの時に、あなたとあなたの家族だけでなく、身近な人にも伝えられます。一家に一冊備えておくと安心です。(藤井)