(2022年6月16日発行)

梅雨らしい天候が続いています。「気象病」という言葉を目にしますが、体の不調を感じる方も多い季節です。ここ数日は特に寒暖の差も大きく感じられます。どうぞご自愛ください。

物価高に円安と、私たちの家計を取り巻く環境は急激に厳しくなっているのを肌で感じます。こんなときこそ、基本に立ち返って「お金」について学ぶのはいかがでしょうか?

当会の藤井から書籍のご紹介を致します。

◆本の紹介〜『おカネの教室』

今回紹介するのは、ずばり『おカネの教室』(高井浩章著・株式会社インプレス発行)です。著者は、金融や資産運用ビジネス、国際ニュースなどが専門分野の新聞記者です。もともと著者が自分の小学生の子どもに向けて、経済やお金の仕組みがわかるようにと、書いた家庭内の読み物が元になっています。

本の帯には、「お金と経済がストンとわかる!ベテラン経済記者が娘に贈った実用エンタメ小説」とあり、物語仕立てで書かれています。

 舞台は、中学校の「そろばん勘定クラブ」というクラブ活動で、毎週月曜日の6時間目という設定です。物語は、「お金を手に入れる方法として、かせぐ・ぬすむ・もらう、の3つ以外の方法を3つ挙げなさい」という問いかけから始まります。その答えを導くなかで、仕事、リーマンショック、資本主義・社会主義・民主主義、働く、お金の借り方、金利や株式投資と経済の話が展開されていきます。

 経済や金融に関することは、身近な生活に直結しているにもかかわらず、難しいと感じる方が多いのではないでしょうか?この本は、中学校のクラブ活動の中での話ですから、中学生にもわかるやさしい言葉で書かれています。みなさんもそろばん勘定クラブの一員になったつもりで、先生からの問いを一緒に考えながら読んでみてください。読み進むと経済について理解が深まっているのに気づくはずです。

高校での金融教育が必修になったと言っても、家庭科の授業の中の一部です。大人になり生活する時には大切な勉強ですが、時間も限られている授業の中で学ぶのは限界があります。お金については、日常的に家庭でも親子で話をするのが大切です。そしてお金は自分のお財布だけでなく、世の中でどのように回っているかを理解しておく必要があります。この本を読んでおくと経済に関して親の視点が広がりそうです。さて、「かせぐ、ぬすむ、もらう」以外の3つの方法、あなたはわかりましたか?(藤井)