(2022年10月17日発行)

10月も半ばを過ぎ、朝晩の冷気や色づいてきた草木に秋の深まりを感じます。静かに読書を楽しみたい季節になりましたね、ということで、今日は当会の藤井より、本のご紹介を致します。

◆本の紹介~『キッチンから始める人生の整理術』(村上祥子著、青春出版社)

人生半ばを過ぎると、断捨離して色々なものを整理したい…、と言う声をよく聞きます。しかし年齢を問わず片付けに悩む人は多く、実は私も大の苦手です。

著者の村上祥子さんは、料理研究家、管理栄養士です。福岡女子大学の客員教授でもあります。村上さんは1942年生まれで、この本を書かれたのは昨年ですから79歳の時です。はじめに…の最後には、「人生は日々、考え、頭に浮かんだ思いを整理しながら前へ歩みを進めます。小さな暮らしを選んだのは、終活のためではありません。これからも立ち止まらず、前へ進み続けるための方便です」とあります。

この本の一番の特長は、「人生の」とあるところです。単なる整理や片付けではなく、全体に村上さんの生き方や考え方がちりばめられています。キッチンの整え方から始まり、70代でも働きたいと願った時の仕事の整理術。手間をかけずにしっかり食べることで健康を維持。さらにモノ・コト、そして人…人生の整理術です。「毎日が終活!大切にしたいのは、『今日』と言う1日」と聞くと、いつかではなく、体力があるうちに整理をするべきだ、という思いが強まります。

村上さんは料理研究家ですから、日々の食事を大切にされています。「多くの食材を整理し、きちんときれいに使い切ることは、体だけでなく能の活性化にもつながる」とおっしゃっています。本の中で紹介されている、コロナに負けない「食べ力®」6か条は次の通りです。

1.たんぱく質食材を毎食100gとる。

2.炭水化物を毎食食べる。

3.野菜を1日350g食べる。

4.乳製品をとる(牛乳なら毎日200ml)。

5.お酢をとる(1日大匙1杯以上)。

6.発酵食品を食べる。

要介護にならず年を重ねるためには、食事はとても大切です。そしてこの本を読むと、そんな食生活を実践する時、整理された小さなキッチン、小さな暮らしが最適だと理解できます。まさに『キッチンから始める人生の整理術』です。私も今度こそ、キッチンから整理したいと思います! (藤井)