(2020年6月15日発行)

新型コロナウイルス感染症の影響により、家計が苦しくなった、あるいは今後の家計に不安を感じている方が増えています。今回は、家計を収入減少にも耐えられるものに体質改善するために、どこから見直していくか?について確認します。

◆まず見直したいのは「固定費」

はじめに行いたいのは、「固定費」の見直しです。固定費は、必ずかかる支出です。保険料や住宅費、光熱費、通信費、学費等があります。大体ほぼ一定の金額で推移し、自動引き落としにしていることも多いため、あまり痛みを感じない支出でもあります。しかし一度見直しを行うと、毎月の支出が減らせるため、家計改善には大きな効果があります。固定費の無駄を減らしてスリムにすれば、収入減少時にも柔軟に対応しやすくなります。

◆固定費はここからチェック

それでは具体的に見直したい項目トップ3とそのポイントを確認しましょう。

1.保険料

必要保障額はライフステージとともに変わっていきます。今ある保障は、必要保障額と比べて多すぎる部分がありませんか?一方で最近は保障不足の方も散見されます。これを機に、適切な保障を確保できているか、保障内容は同じでも保険料をより節約できる余地はないか、見直してみてください。

2.通信費

通信費の中でも、特に携帯代は是非見直したい支出と言えます。格安携帯に切り替えると大きな節約に繋がるケースが多いですが、今契約している携帯会社で自分により合った割安プランに切り替えるのも一つの方法です。まずは請求書の通話料金、パケット通信料、オプション料等をチェックすることから始めてみましょう。

3.住宅ローン

住宅ローンも、見直しがうまくいけば大きく家計を改善できる可能性があります。最近では住宅ローンに付保される団体信用生命保険(団信)が進化し、亡くなった時だけでなく、指定の病気に罹り一定の状態になるとローン金額を減額してくれる商品も出てきました。しかし、住宅ローンの借り換えには新たに登記費用等がかかり、そんなにお得にはならない場合もありますのでご注意ください。

◆「特別費」を設けて管理する

「固定費」の中には、固定資産税や学費など、毎月でなく1年に数回支出するものがあります。このような支出、それから年に一回の旅行代等をボーナスで賄ってきた方は少なくないと思います。しかし、今後のボーナスがこれまで通り支給されるかどうかは不透明です。そこで、これらの支出を「特別費」として年間費用に計上し、それを12で割って毎月積み立てていけば、ボーナスに頼ることなくまとまった金額の支出も出せる家計に変えていくことが出来ます。

中長期的な家計の見直しについてお伝えしてきましたが、FPの会のライフプラン講座「サステイナブルな家計」で詳しく聞くことができます。興味のある方はぜひ講座にもご参加ください。(青山)